イン・ザ・スタジオ | グオリャン・タン

  • グオリャン・タンは近年、ペインティングとインスタレーション作品(ペインティングを立体のオブジェとして見たてた作品)を主に手がけてきた。特徴的なのは、軽さ、そして一時停止の感覚である。通常航空モデルに使われる半透明布の上にアクリル絵の具を流すことで、跡や印を作り、またそれを構図化する。作品を通して、私たちの時間、身体、記憶に対する感覚がどう形作られ、導かれるのかをタンは探索する。

  • オオタファインアーツ(オ):作品の中で最も特徴的なのは、そこで使われる素材、特に布地ですが、これがどう作品制作の過程を形作るのか、お話しいただけますか。

    グオリャン・タン(グ):私が使う布地には、いくつかの種類があります。布地は作品の表面において、触るという感覚を呼び起こし、また親密な感覚、疎遠の感覚の両方を表します。その下、ペインティングの最も基礎には、趣味で航空モデルや船のモデルを作る人が使う布を用いています。その布が魅力的な点としては、水を弾く性質があるので、大量にアクリル絵の具を使用したとしても、最終的には流れ落ちてしまいます。絵の具の塗り自体が強調される描き方ではなく、そこに残された跡や印を用いて制作するという考え方が気に入っています。

  • 「ペインティングを製作するときに重要なのは、そこには異なるレベルの意図があるということです。」

     

    グオリャン・タン

  • 展示風景:「Strange Forms of Life」2020年、SPTI Gallery、シンガポール Image courtesy of SPTI - Creative Workshop & Gallery, Singapore オ:作品に具象表現は登場しませんが、何かの存在をかすかに喚起させる感じがあります。形を描くことと、抽象に留めることのバランスはどのようにとっているのですか。 グ:作品の中では、自分はできるだけ間接的でありたいと思っています。はっきりした、具体的な何かが求められることの多い世界では、抽象的な作品を作ることは容易ではありません。しかし、曖昧さのための場所があるべきと思っています。私にとって、ペインティングはいつも外から始まります。ペインティングは、世界の中に存在する物と私は見ているからです。ペインティングに私たちの考えや、感情を投入するゆえに、ペインティングと接するときにそれは私たちの内側に働きます。しかし、究極的には、ペインティングはいつもペインティング自体に戻ってきます。この世界と、作家と、見る人の間にある空間は大切です。なぜなら、それこそが私たちが自分自身を調整、調律することができる場所であるからです。 オ:最近はどのようなことを探索していらっしゃいますか。 グ:最近では、空間の中に複数存在するオブジェとしてのペインティングについて考えています。フレームという枠を越えて拡大するペインティングの空間という考え方が気に入っています。ペインティングをある種の実在物として考え、自分の身体を用いてオブジェとしてのペインティングに応えようとしています。これは、絵としての構図ではなく、空間としての構図を考えることを意味します。物の間に存在する空間にいつも興味をもってきたので、空間におけるマーカーとしてのペインティングについて自然と考えるようになったのです。

    展示風景:「Strange Forms of Life」2020年、SPTI Gallery、シンガポール

    Image courtesy of SPTI - Creative Workshop & Gallery, Singapore

     

    オ:作品に具象表現は登場しませんが、何かの存在をかすかに喚起させる感じがあります。形を描くことと、抽象に留めることのバランスはどのようにとっているのですか。

    グ:作品の中では、自分はできるだけ間接的でありたいと思っています。はっきりした、具体的な何かが求められることの多い世界では、抽象的な作品を作ることは容易ではありません。しかし、曖昧さのための場所があるべきと思っています。私にとって、ペインティングはいつも外から始まります。ペインティングは、世界の中に存在する物と私は見ているからです。ペインティングに私たちの考えや、感情を投入するゆえに、ペインティングと接するときにそれは私たちの内側に働きます。しかし、究極的には、ペインティングはいつもペインティング自体に戻ってきます。この世界と、作家と、見る人の間にある空間は大切です。なぜなら、それこそが私たちが自分自身を調整、調律することができる場所であるからです。

     

    オ:最近はどのようなことを探索していらっしゃいますか。

    グ:最近では、空間の中に複数存在するオブジェとしてのペインティングについて考えています。フレームという枠を越えて拡大するペインティングの空間という考え方が気に入っています。ペインティングをある種の実在物として考え、自分の身体を用いてオブジェとしてのペインティングに応えようとしています。これは、絵としての構図ではなく、空間としての構図を考えることを意味します。物の間に存在する空間にいつも興味をもってきたので、空間におけるマーカーとしてのペインティングについて自然と考えるようになったのです。

  • 「私にとって一時停止の状態というのは、上がるのとも下がるのともの異なり、浮いた状態なのです。そこでは、異なる力が均衡状態を保っています。それは、生命に満ちた静寂なのです。」

     

    グオリャン・タン

  • 作家略歴

    グオリャン・タン(1980年、シンガポール生まれ)は、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ・ファインアート&クリティカルスタディーズ専攻を卒業、グラスゴー芸術大学ファインアート専攻を修了。Singapore National Arts Council Scholarship、Antje und Jürgen Conzelmann Preis for paintingを過去に受賞。近年の個展に、「Ghost Screen」オオタファインアーツ、 シンガポール(2017年)、「Play Dead」Space Cottonseed 、シンガポール(2012年)。最近ではタンの大型 インスタレーション作品「Arrive, Arrive」(2021年)が、ナショナル・ギャラリー・シンガポール内の空間(Padang Atrium)に展示された。近年の他の展覧会に、「Reformations」NTU ADM Gallery、シンガポール(2019年)、「DEPTHS: Others, Lands, Selves」Elevation Laos、ビエンチャン(2018年)、「A Different Way Of (Thinking About) Painting?」Langgeng Art Foundation、ジョグジャカルタ(2017年)、「The Trouble With Painting Today」Pump House Gallery、ロンドン(2014年)など。

    作家についてのより詳しい情報は、こちらをご覧ください。