久門剛史

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  • 久門剛史(1981年、京都生まれ)は、凡庸に見える日常生活の一面や、時空間のコンセプトに着目する。インスタレーション作品、立体作品、ドローイングなど久門の一連の作品は、一瞬で過ぎ去るささやかな経験を特別なものにする。
    撮影:来田猛

    久門剛史(1981年、京都生まれ)は、凡庸に見える日常生活の一面や、時空間のコンセプトに着目する。インスタレーション作品、立体作品、ドローイングなど久門の一連の作品は、一瞬で過ぎ去るささやかな経験を特別なものにする。

  • 作品「FUZZ」(2015)風景 展覧会「FUZZ」(2019)、オオタファインアーツ上海、中国

  • TSUYOSHI HISAKADO FUZZ, 2015 Wood, glass, aluminum, brass, LED lamp Dimensions variable USD 40,000.- 日常の現象や場所に潜む独自の美しさを探そうとする久門の興味は、作品「FUZZ」(2015)に現れている。このインスタレーション作品は、「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2015」(兵庫県六甲山)のサイトスペシフィックな作品として製作された。2007年に営業を終了した六甲オリエンタルホテルが会場で、久門はそこに遺棄されたライトスタンドを吊り上げ、全体として山の形状に見えるように成形した。風がすばやく旋回する音が空間にこだまし、ライトスタンドは瞬間的に強烈な光を放つ。その対置を通して、久門は人工物と自然の力の関係性について考え、また見る者が今日の混乱した社会状況においても美しさを感じてほしいという思いを込めた。
    TSUYOSHI HISAKADO

    FUZZ, 2015

    Wood, glass, aluminum, brass, LED lamp

    Dimensions variable

    USD 40,000.-

     

    日常の現象や場所に潜む独自の美しさを探そうとする久門の興味は、作品「FUZZ」(2015)に現れている。このインスタレーション作品は、「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2015」(兵庫県六甲山)のサイトスペシフィックな作品として製作された。2007年に営業を終了した六甲オリエンタルホテルが会場で、久門はそこに遺棄されたライトスタンドを吊り上げ、全体として山の形状に見えるように成形した。風がすばやく旋回する音が空間にこだまし、ライトスタンドは瞬間的に強烈な光を放つ。その対置を通して、久門は人工物と自然の力の関係性について考え、また見る者が今日の混乱した社会状況においても美しさを感じてほしいという思いを込めた。

  • 「らせんの練習」展覧会風景、豊田市美術館(2020)撮影:来田猛 / 他詳細図:「crossfades」シリーズより

     

    2018年から今に至るまで続く「crossfades」のシリーズは、紙という平面媒体を使った久門の探索である。近寄って見てみると、インクがしみたり、飛び散ってできた模様の下に、円周率パイから導かれた数字がらせんを描くようにシルクスクリーンで印字されているのが分かる。久門にとって、その終わることのないパイの数字は、永遠という概念を示唆する。紙とインクと数字の間で、パイの継続性は歪められ、時空間が持つ永続性にわずかな変化が起こったことを想起させ、シンプルな視覚構造を通して詩的な感覚を開いていく。

    • Tsuyoshi Hisakado crossfades #4 / diffusion, 2020 Silkscreen, ink on paper 76.5 x 56 cm
      Tsuyoshi Hisakado
      crossfades #4 / diffusion, 2020
      Silkscreen, ink on paper
      76.5 x 56 cm
    • Tsuyoshi Hisakado crossfades #4 / drip (sunset), 2018 Silkscreen, ink on paper 76.5 x 56 cm
      Tsuyoshi Hisakado
      crossfades #4 / drip (sunset), 2018
      Silkscreen, ink on paper
      76.5 x 56 cm
    • Tsuyoshi Hisakado crossfades #4 / rain, 2020 Silkscreen, ink on paper 76.5 x 56 cm
      Tsuyoshi Hisakado
      crossfades #4 / rain, 2020
      Silkscreen, ink on paper
      76.5 x 56 cm
    • Tsuyoshi Hisakado crossfades #4 / blackout ⅱ, 2019 Screen print, acrylic, paper 76.5 x 56 cm
      Tsuyoshi Hisakado
      crossfades #4 / blackout ⅱ, 2019
      Screen print, acrylic, paper
      76.5 x 56 cm
  • 作品「風」(2017)展示風景 展覧会「アジア回廊 現代美術展」、京都二条城

  • TSUYOSHI HISAKADO Gale, 2017 Wood, glass, aluminum, brass, LED lamp Dimensions variable USD 40,000.- 久門の作品にたびたび現れる時空間のコンセプトは、作品「風」(2017)で特に顕著である。ガラス箱の中で電球が振り子のように揺れ、見る者に時間の経過を形として感じさせる。この久門のインスタレーションはまるで劇場のように人々の感覚を開き、また多層の言及や暗示を含む。風と稲妻、そして雷という要素の組み合わせは、触ることができない巨大な力の存在を示唆するとともに、個人の存在の脆弱性の比喩でもある。
    TSUYOSHI HISAKADO

    Gale, 2017

    Wood, glass, aluminum, brass, LED lamp

    Dimensions variable

    USD 40,000.-

     

    久門の作品にたびたび現れる時空間のコンセプトは、作品「風」(2017)で特に顕著である。ガラス箱の中で電球が振り子のように揺れ、見る者に時間の経過を形として感じさせる。この久門のインスタレーションはまるで劇場のように人々の感覚を開き、また多層の言及や暗示を含む。風と稲妻、そして雷という要素の組み合わせは、触ることができない巨大な力の存在を示唆するとともに、個人の存在の脆弱性の比喩でもある。

  • 展覧会「らせんの練習」風景、豊田市美術館(2020) 撮影:来田猛 展覧会図録発売中! 豊田市美術館で行われている、久門の大規模初個展「らせんの練習」の展覧会図録ができました!この図録には下記3名が執筆された文章が収められています:ワン・ウェイウェイ(Centre for Heritage, Arts & Textile, Hong Kong学芸員)、福島真人(東京大学教授、文化人類学/科学社会学)、都筑正敏(豊田市美術館学芸員)。来田猛が撮り下ろした写真は、各部屋の雰囲気や気配までをも丁寧にとらえられています。「できるだけ作品を見る人々に空白を渡したい」と久門が記すように、シンプルな構成ながらも、細かな造作にもこだわったビジュアルブックとして、尾中俊介がまとめ上げました。久門剛史の世界を、この図録でぜひお楽しみください! 図録のお求めはこちらからどうぞ。 展覧会についての詳細は、豊田市美術館のウェブサイトをご覧ください。 より詳しい作家情報は、こちらをクリックしてください。

    展覧会「らせんの練習」風景、豊田市美術館(2020) 撮影:来田猛

     

    展覧会図録発売中!

     

    豊田市美術館で行われている、久門の大規模初個展「らせんの練習」の展覧会図録ができました!この図録には下記3名が執筆された文章が収められています:ワン・ウェイウェイ(Centre for Heritage, Arts & Textile, Hong Kong学芸員)、福島真人(東京学教授、文化人類学/科学社会学)、都筑正敏(豊田美術館学芸員)。来田猛が撮り下ろした写真は、各部屋の雰囲気や気配までをも丁寧にとらえられています。「できるだけ作品を見る人々に空白を渡したい」と久門が記すように、シンプルな構成ながらも、細かな造作にもこだわったビジュアルブックとして、尾中俊介がまとめ上げました。久門剛史の世界を、この図録でぜひお楽しみください!

     
    図録のお求めはこちらからどうぞ。
    展覧会についての詳細は、豊田市美術館のウェブサイトをご覧ください。
    より詳しい作家情報は、こちらをクリックしてください。