チェン・ウェイ+さわひらき

19 AUG - 9 SEP 2020
  • 記憶は人類の存在の根幹を成すものであり、作家にインスピレーションをもたらす源にもなってきた。このオンライン・ビューイング・ルームでは、弊廊所属の作家であるチェン・ウェイとさわひらきの作品に着目し、作家がどう記憶から着想を得て表現してきたかを探索する。異なる表現の背後にある記憶にまつわる物語を読み解いていく。

    • Chen Wei Light of Folding Bed, 2009 Archival inkjet print 140 x 182 cm Edition 1/3 + 1A.P.
      Chen Wei
      Light of Folding Bed, 2009
      Archival inkjet print
      140 x 182 cm
      Edition 1/3 + 1A.P.
    • Hiraki Sawa IOTA 25, 2016 White ink pen drawing, Giclée print on Hahnemühle archival paper 7 x 9 cm
      Hiraki Sawa
      IOTA 25, 2016
      White ink pen drawing, Giclée print on Hahnemühle archival paper
      7 x 9 cm
      USD 2,300.- [Framed]
  • チェンウェイの作品においては、視覚的隠喩が目を引く。「Light of Folding Bed 」(2009)を見てみよう。この作品は、チェン自身が大人になる前、折り畳みベッドで寝ていた時の記憶を語る。寝付けない夜に、ベッドに横たわりながら、たくさんの考えが頭を過ったのだという。そうした夜と考えは記憶のかけらとなり、作品中で光を反射する壊れたガラスの破片として表現されている。また同時に、本作には不思議な皮肉も込められている。鋭利なガラスの破片に満ちたベッドは、心地よさと休息というベッドの本来のイメージから乖離しているが、危なげなガラスのかけらは美しいきらめきを放つ。 チェンの写真作品に現れる風景の多くは、丁寧に作り込まれた模型からなるセットである。チェンは中国の都市風景を観察する中からモチーフを得、そこに潜む美を再度想像する。作品を通じて、現実と虚構の間の境界、また風景と夢の情景との間の境目を揺らがすのである。

    チェン・ウェイ「Light of Folding Bed」(2009)詳細画像

    チェンウェイの作品においては、視覚的隠喩が目を引く。「Light of Folding Bed 」(2009)を見てみよう。この作品は、チェン自身が大人になる前、折り畳みベッドで寝ていた時の記憶を語る。寝付けない夜に、ベッドに横たわりながら、たくさんの考えが頭を過ったのだという。そうした夜と考えは記憶のかけらとなり、作品中で光を反射する壊れたガラスの破片として表現されている。また同時に、本作には不思議な皮肉も込められている。鋭利なガラスの破片に満ちたベッドは、心地よさと休息というベッドの本来のイメージから乖離しているが、危なげなガラスのかけらは美しいきらめきを放つ。

     

    チェンの写真作品に現れる風景の多くは、丁寧に作り込まれた模型からなるセットである。チェンは中国の都市風景を観察する中からモチーフを得、そこに潜む美を再度想像する。作品を通じて、現実と虚構の間の境界、また風景と夢の情景との間の境目を揺らがすのである。

     

  • さわの「IOTA」シリーズ(2016)は、郵便切手の形で、記憶と人物の表現を探索した一連の作品である。作品中に見えるのは、さわの祖母が持っていたアルバムの中に見つけた家族写真である。さわは白いインクを用いて写真の上に模様や形を描くことで、その特定の時間や記憶を再度想像し、想像された過去を形にする。 さわのより直近のドローイングシリーズ「Memoria Paralela」(2019)は、違う方法で人の時間と記憶を探索する。過去作「Lineament」(2012)、「Did I?」(2011)に続く作品として、同名のビデオ作品「Memoria Paralela」(2019)は構想され、そこからドローイングは生まれた。これら3点の作品の出発点は、記憶の失くした友だちである。さわはそこから、人の記憶と意識のありかを自身の叙述を用いて表そうとしたのである。時間の点を表した灯台、放射線状の時間を示すラッパなど、ドローイングに描かれているモチーフは、現実を超越したさわの世界をよく表している。 さわはその作品の中で、人間の知覚を問い直す。その作品の多くは、私的空間と公共空間との間の線を分散させ、生活の中で馴染みあるものとないものを編み合わせることによって、夢のような風景や、想像を刺激するビデオ作品を制作してきた。

    さわひらき「IOTA 25」(2016)詳細画像

    さわの「IOTA」シリーズ(2016)は、郵便切手の形で、記憶と人物の表現を探索した一連の作品である。作品中に見えるのは、さわの祖母が持っていたアルバムの中に見つけた家族写真である。さわは白いインクを用いて写真の上に模様や形を描くことで、その特定の時間や記憶を再度想像し、想像された過去を形にする。

     

    さわのより直近のドローイングシリーズ「Memoria Paralela」(2019)は、違う方法で人の時間と記憶を探索する。過去作「Lineament」(2012)、「Did I?」(2011)に続く作品として、同名のビデオ作品「Memoria Paralela」(2019)は構想され、そこからドローイングは生まれた。これら3点の作品の出発点は、記憶の失くした友だちである。さわはそこから、人の記憶と意識のありかを自身の叙述を用いて表そうとしたのである。時間の点を表した灯台、放射線状の時間を示すラッパなど、ドローイングに描かれているモチーフは、現実を超越したさわの世界をよく表している。

     

    さわはその作品の中で、人間の知覚を問い直す。その作品の多くは、私的空間と公共空間との間の線を分散させ、生活の中で馴染みあるものとないものを編み合わせることによって、夢のような風景や、想像を刺激するビデオ作品を制作してきた。

     

  • Available works

    • Chen Wei Glass Lake, 2016 Archival inkjet print 100 x 125 cm Edition 4/6 + 2 A.P.
      Chen Wei
      Glass Lake, 2016
      Archival inkjet print
      100 x 125 cm
      Edition 4/6 + 2 A.P.
      USD 12,000.- [Framed]
    • Chen Wei Lesson of Weightlessness, 2009 Archival Inkjet Print 100 x 100 cm Edition 3/6 + 1 A.P.
      Chen Wei
      Lesson of Weightlessness, 2009
      Archival Inkjet Print
      100 x 100 cm
      Edition 3/6 + 1 A.P.
      USD 13,500.- [Framed]
    • Chen Wei The Pillar of Broken, 2015 Archival Inkjet Print 150 x 187.5 cm Edition 5/6 + 2 AP
      Chen Wei
      The Pillar of Broken, 2015
      Archival Inkjet Print
      150 x 187.5 cm
      Edition 5/6 + 2 AP
      USD 20,000.- [Framed]
  • 作家略歴

    チェン・ウェイ

    1980年中国浙江省生まれ、現在は北京を拠点に活動。主な個展に、「Where Are You Going Tonight」chi K11 art space、広州 (2018)、「The Club」Centre for Contemporary Photography、メルボルン (2017)、「Chen Wei: In the Waves」chi K11 art museum、上海 (2015)。主なグループ展に「Phantom Plane, Cyberpunk in the Year of the Future」Tai Kwun Contemporary、香港 (2019)、「Night Fever. Designing Club Culture 1960-today」Vitra Design Museum, ドイツ (2018)。主な収蔵先にSingapore Art Museum (シンガポール)、金沢21世紀美術館 (石川)、Ullens Center for Contemporary Art (北京)、 K11 Art Foundation (香港)、M+ Sigg Collection (香港)、San Francisco Museum of Modern Art (サンフランシスコ)など。

    さわひらき

    1977年石川県生まれ、現在はロンドンと金沢を拠点に活動。主な個展に、Vincom Center for Contemporary Art、ハノイ(2018)、Parafin、ロンドン(2016)、東京オペラシティアートギャラリー、東京(2014)、資生堂ギャラリー、東京(2012)、La Musée des Beaux-Arts et d'Archeologie、ブザンソン(2010)、National Museum of Victoria、メルボルン(2006)など。主なグループ展に、「Borders」 James Cohan gallery 、ニューヨーク(2019)、「Two Houses: Politics and histories in the contemporary art collections of John Chia and Yeap Lam Yang」、ICA Singapore、シンガポール (2018)、「Hinterland」, Roaming Room、ロンドン (2016)、「六本木クロッシング2016展:僕の身体(からだ)、あなたの声」、森美術館、東京(2016)など。